ストレスが原因で生じる「適応障害」

ストレスが原因で、心身の不調、睡眠障害、行動面の変化(職場や学校に行けなくなるなど)が生じます。メンタルクリニックを訪れる人の中で、最も多く見られる病態です。症状は個人差がありますが、以下のようなものがあります。

メンタルの不調

気分の落ち込み、不安、緊張、イライラ、意欲や気力が出ない、集中力が下がる

身体の不調

頭痛、めまい、耳鳴り、だるさ、動悸、消化器症状(腹痛、下痢や便秘、吐き気)、音や光に敏感になる、熱が出る

睡眠障害

寝つきが悪い、眠りが浅い、睡眠時間が短い、朝起きられない

行動面の変化

ミスが増える、急に涙が出る、電車に乗れない、会社や学校に行けない、遅刻や早退が増える、食事量が減る

症状にも程度があり、人によって、心の症状が目立つ方、身体症状が目立つ方、両方とも強い方など、様々なパターンがありますが、仕事や日常生活に差し障るくらいになると、「黄色信号」です。そのまま我慢を続けると、「うつ」に至る可能性もあります。

原因となるストレスには、以下のようなものがあります。
  • 仕事(内容が合わない、業務量や残業が多い、上司や同僚と合わない、部署や担当が変わった、転勤による環境の変化、スピードについていけない、責任が重い)
  • 家庭(人間関係、育児や教育関係、経済的な問題、住居や地域の環境、引っ越し、ペットなど)

人間関係では、職場、学校、家庭(夫婦、子供、両親、兄弟姉妹、祖父母、義理の家族など)、交際相手、友人、近所付き合いなど。その他、将来や進路の悩み、いじめ、慢性的な身体疾患や体調不良などです。

治療は、原因となるストレスを明らかにし、対処していくことが原則です。通常は、ストレスとの関係性が改善すると、症状も改善していきます。
不眠や心身の症状に対して、薬物療法を併用することもありますが、必須ではありません。
ご自身でストレスをうまく言語化できない場合もあり、周囲の人間や主治医とともに、よりよい方向を目指すことが重要です。
早めに対応した方が、その後の回復も早いと言われています。一度お気軽にご相談にいらしてください。

院長 河野敬明

心と眠りのクリニック中野
〒164-0001 東京都中野区中野 3-36-12 SK中野ビル6F
TEL 03-6382-8520
精神科・心療内科・老年精神科